エストロゲンを補う以外でも漢方によって更年期障害は治療することができます。

更年期障害の漢方治療
漢方薬

更年期障害の症状を改善させるには一般的に不足した女性ホルモンであるエストロゲンを補う治療が行われます。飲み薬や塗り薬、貼り薬を使用し女性ホルモンを補う治療方法があります。しかし、症状が軽度でホルモン治療をするまで深刻な状態でない場合もありますし、副作用が気になって服用に抵抗をお持ちの方や、持病や体質によってホルモン治療を行う事が出来ない場合もあります。

またホルモン治療の効果には差があり、思うように効果が得られない方もいらっしゃいます。そういった場合は漢方薬を使用することが出来ます。漢方薬は複数の生薬を含んでおり、さまざまな症状の改善に期待が持てます。比較的副作用の危険も少なく、長期間服用できる事が漢方薬のメリットでもあります。

漢方の考え方では、女性は数字の7の倍数にあたる年齢が節目に当たると位置づけられ、その節目の年代に心や体に大きな変化が起きると考えられています。さまざまな体調不良が起こるようになり、それらの症状に漢方薬が効果を発揮すると考えられています。

その方の「気・血・水」から不調を探るところから始まり、「証」と呼ばれる体質や体調などを判断し、どの漢方薬を使用するのを決めていきます。「証」の分類には、体力や抵抗力の有無から判断する「虚・実」があり、体力や抵抗力が十分にある方を「実証」、体力や抵抗力が低い方を「虚証」、その中間的な方を「中間証」と分ける事が出来ます。証はその方によって違いますので同じ症状や病気であっても使用される漢方薬が違ったり、逆に症状や病気が違っても同じ漢方薬を使用する事があります。

更年期の不調は気や血の不調から来ているといわれています。頭痛は血液の流れが悪くなる「お血」、眩暈や不眠症状は血液の不足である「血虚」、火照りや動悸は気の流れに異常が起きている「気逆」と位置づけられています。

これらの症状の改善に効果のある漢方薬を服用する事で、一番強く出ている症状の改善に繋がりますが、漢方薬にはいろいろな生薬が含まれているので、一種類でさまざまな症状に効果を発揮する事が出来ます。一石二鳥にも三鳥にもなるトータルケアが出来るので、たくさんの種類の薬を飲まずに済み、体への負担も少なく出来ます。

しかし個人の体質などが効果の具合を左右させますので、ご自身に合ったベストな漢方薬であれば非常に効果が得られる反面、体質に合わない場合は全く効果が得られないデメリットがあります。しばらく服用を続けても効果が得られない場合は別の漢方薬を試してみることが大事です。

その中でご自身に合った漢方薬が見つかれば、更年期障害の症状はぐっと楽になる可能性があります。更年期障害に有効でよく使用される漢方薬には加味逍遙散や温経湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯などがあります。